1.はじめに
近年、電気自動車の需要が高まっています。
電気自動車は環境に優しく、ガソリン車と比較してランニングコストが低い点から、需要が高まってきています。2022年7〜9月にはEV・PHVの新車販売は30,000台超えの過去最大となり、まさに「EV元年」となっています。また世界各国でもガソリン車からEVへの転換を促す政策が行われており、今注目の業界です。
電気自動車の利用で外せないのが、EV充電器の設置です。しかし、日本ではまだまだ馴染みが薄く、EV充電器設置が進んでいないのが実情です。
本記事では、EV充電器設置でのメリットやEV充電器のしくみやなどEV充電器について気になる情報をお伝えします!
2.EV充電器について徹底解説
①EV充電器とは?
EV充電器はElectric Vehicleのための充電器、 つまり電動自動車にあたるEV(電気自動車)やPHV・PHEV(プラグインハイブリッド車)の動力源となる電気を充電するための設備です。電気自動車を稼働させるために、EV充電器の設置は必要不可欠です。スーパーやSAなどの駐車場で設置されていることが多いです。
②EV充電器導入のメリット・デメリット
・メリット…既存顧客に新たな来店目的を作ることで、来店頻度や継続利用を促すことができます。充電目的に来訪した新規顧客の取り込みも期待できます。
・デメリット…手続きが煩雑なところです。EV充電器を新設する場合には、機器購入・設置・シェアリングサービスへの登録・運用など、また補助金を利用する場合は補助金の申請手続きがあるため、面倒に感じてしまうこととが挙げられます。
しかし煩雑な手続きを一括で行ってくれる業者も数多く存在しますので、利用状況に合わせた業者を選んでみてください。
③EV充電器の種類
EV充電器には大きく分けて、普通充電器と急速充電器があります。その名の通り、充電スピードが異なることが最大の違いです。普通充電器と急速充電器で、設置に係る費用が異なるため、設置場所や目的に合わせた機種を選ぶことが重要です。
普通充電設備 | ||||
電力仕様 | 電源側:交流単相100~200V 車側:交流100~200V | |||
電力出力 | 3~6kW | |||
充電器本体 | 壁面取付タイプ | スタンドタイプ | スタンドタイプ | 壁面取付タイプ |
充電ケーブル | コンセントタイプ(充電ケーブル別) | 充電ケーブル付き | ||
充電スピード | 緩やかに充電(8時間で+50%程度充電可能)※1 | |||
利用シーン | 買い物、宿泊時、勤務中等(長時間駐車時) | |||
設置場所例 | 商業施設、宿泊施設、時間貸駐車場、マンション駐車場、事業所駐車場等 | |||
価格イメージ | 本体・工事価格ともに急速充電より安い |
※1 充電出力3kW、バッテリ容量50kWhの場合
急速充電設備 | ||||
電力仕様 | 電源側:交流三相200V等 車側:直流450V | |||
電力出力 | 10~200kW | |||
充電器本体 | 1口タイプ | 複数口タイプ | ||
充電ケーブル | 充電ケーブル付き | |||
充電スピード | 急速に充電(30分で+50%程度充電可能)※2 | |||
利用シーン | 長距離移動の休憩時の継ぎ足し充電等(短時間駐車時) | |||
設置場所例 | 高速道路SA・PA、道の駅、商業施設、ガソリンスタンド、カーディーラー等 | |||
価格イメージ | 本体・工事価格ともに急速充電より高い |
※2 充電出力50kW、バッテリ容量40kWhの場合
・普通充電器
自宅やレジャー施設、ホテルなど長時間の駐車が想定される場所で用いられる充電器。原則、国内販売されているどの車種でも充電が可能。急速充電器より設置費用がかからないため、普通充電器を採用している業者は多い。設置費用の相場は200万円程度。
・急速充電器
コンビニや高速道路のSA・PAなど、短時間の充電が求められる場所への設置を想定した充電器。急速充電口を備えた車種に充電が可能。普通充電器よりも設置のコストがかかるため、採用している業者は少なめ。設置費用の相場は、500万円程度。
④充電スピード
⼀般的なコンセント(200V)と普通充電器の出力は同じく3.2kW。これは1時間の充電で
3.2kWhの電力量をバッテリーにためることができることを示します。仮にバッテリー容量40kWhのEV(日産LEAFのスタンダードモデル相当)をゼロから満充電にするには、
40kWh÷3.2kW=12.5時間
充電器 充電スピード目安(出力電力)
例 | kw数 | 満充電までにかかる時間 (バッテリー容量40kwhの場合) | ||
100vコンセント | 0.6~1.2kW | |||
200vコンセント(16A) 一般的な普通充電器 | 3.2kW | 12.5時間 | ||
高出力普通充電器 | 6kW | 6.6時間 | ||
一般的な急速充電器 | 50kW~180kw | 48分~13分 |
1日40kmの走行分の充電に必要な充電時間はというと、
40km走行に必要な電力量を充電するためにかかる時間目安(電費7km/kWhの場合)
- 3.2kW充電で約2時間
- 高出力型の6kW普通充電器なら約1時間となります。
3.EV充電器の設置業者を選ぶときのポイント
1 無料設置プランを設定しているかどうか
EV充電器の無料設置を行っている企業には、2つパターンがあります。
①国の補助金を利用したパターン
EV充電器設置に係る費用を50‐100%補助してくれますが、補助金の予算枠に達し次第受付終了となり、交付が受けられないことがあります。2023年は、6月の時点で予算額に達して受付終了となってしまっています。補助金を利用したプランを選ぶ際には、その時点で補助金の申請が可能な状況かどうか要確認しておいた方がよさそうです。
<参考サイト>一般財団法人 次世代自動車振興センター
https://www.cev-pc.or.jp/lp_evphvcharge/
②業者独自に、無料設置を行っているパターン
こちらは、企業が独自に資金を出しているため諸条件はあるものの、長期で行っているものが多いので、申請が間に合わず無料設置できなかったという不安はなさそうです。
2.ニーズに合った機種の取り扱いがあるかどうか
設置予定場所によって、
短時間の利用客が見込まれる場所の設置には50kw以上の高速充電器を、長時間の利用客が見込まれる場所には3-6kwの普通充電器がおすすめです。
4.無料設置プランがあるオススメの業者5選
4−1 ブランド力で選ぶなら! DMM EV CHARGE
DMM.com の系列会社が運営しています。2023年5月より始まったサービスですが、導入費0円プランやDMMアカウントを利用したアプリ決済が可能など、大手ならではの集客力が見込まれます。普通充電器・急速充電器ともに取扱い〇
4-2 トラブル時も安心! EV ENE CHANGE
全国の宿泊施設、商業施設、オフィスなど、3000基以上のEV充電スポットを導入しています。EV充電設備の設置工事や補助金の申請やアプリの提供など、まとめて対応してくれます。また365日お問い合わせ対応しており、トラブル時も安心です。普通充電器のみ取り扱い有り。
4-3 ユーザー目線で選ぶなら!Green Quick Chrage
利用者の専用アプリや会員登録必須の企業が多い中、「会員登録・会費・アプリなし」で、利用が可能です。気軽に立ち寄りやすいため、新規顧客の流入が見込めます。
またEV充電器のデザインをオーダメイド可能で、自社のブランドイメージに合わせた充電器の設置が可能です。普通充電器・急速充電器ともに取扱い〇
4-4 自動車会社が運営 TERRA CHARGE
電気自動車の製造会社である、「Terra Motors」が運営しています。
電気自動車販売で培ったノウハウを生かした、ユーザー・オーナー目線でのプランが充実しています。普通充電器から50kw超の急速充電器等、幅広い施設形態や利用方法にマッチするプランがラインナップされています。普通充電器・急速充電器ともに取扱い〇
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
EV充電器の無料設置について徹底解説いたしました。
設置場所や利用が見込まれる顧客に応じた機種、業者を選ぶことが大事です。政府の予算枠が増額があったり、EV充電器無料設置プランを扱う業者も増えてきているので今後見逃せない業界となりそうです。
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